はじめに
新規の事業を立ち上げる、マーケティングをプランニングする、自分のチームのマネジメントをする。様々な企業活動シーンにおいて、どんな方にとっても判断を行うシーンが訪れると思いますが、どんな風に思考を巡らせて判断をしたら良いでしょうか?
しばしば、特に根拠がなく、経験値や上長の言葉を借りて判断してしまうケースが多いように思います。
今回紹介する本は、そのような私達の判断に「経営判断をする際の因果律」というキーワードを与え、新たな判断軸を提供してくれる本になります。



戦略プロフェッショナル シェア逆転の企業変革ドラマ (日経ビジネス人文庫)
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お勧めポイント
★★★★★
お勧めしたい方
自分のビジネス判断に、「確固たる根拠」が欲しい方へ
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「因果律」とは、「結果と原因を結ぶセオリー」と言い換えることもできる言葉です。つまりは、ある結果を出すためには、こうすれば上手くいくはずだ、という自分なりの判断軸があるということです。
この本の特長は、しばしば実経営のシーンに落とし込みながら、経営課題の解決に一般的に知られる経営理論を用いるということにあります。
例えば、「プロダクト・ライフサイクル理論」を用いて、競争パターンを説明してくれるシーンがあります。「プロダクト・ライフサイクル理論」を、プロダクトのライフサイクルを導入期・成長期・成熟期・衰退期の4つに分けて表現するものという点までを理解している人は多いように思いますが、そのステージ毎にある「勝ちパターン」というものがあることを理解できている人は少ないのではないでしょうか。
この本がユニークなのが、ビジネス本としてのストーリに合わせ、経営コンサルタントである著者が経験して見知った、日本のビジネスマンへの危機感を語る点にあります。
例えば、「日本のビジネスマンは経営理論を知っていても、扱う事をしない」という点です。実践的な価値が分からないことや、それを知らないトップの人間がいざやろうとしている人がいても、それを阻む風潮があると指摘しています。
これらは、読んでいる私達に、今の日本のビジネスシーンへの警鐘を鳴らしてくれているように思えます。私は、最初にこの本を読んだ時には面白さを感じるのと同時に、私達を取り巻く日本のビジネスの現状に対して苛立ちを覚えたように記憶しています。
このように、一見とっつきにくさを覚える経営理論に対して、自身のビジネス判断に役立つ内容を理解できるきっかけになる本ですので、まだ読んだことのない方にはおすすめの一冊です。


戦略プロフェッショナル シェア逆転の企業変革ドラマ (日経ビジネス人文庫)
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